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記事: DIET HORMONE

DIET HORMONE
6DIET

DIET HORMONE

 満腹中枢ホルモン
太る理由や痩せる理由

⑴ 満腹中枢に関わる3大ホルモン
① レプチン
② セロトニン(幸福ホルモン)
③ プロゲステロン(黄体ホルモン)

食事 → 血糖値が上昇 → 脂肪細胞が刺激 → レプチン分泌
→ 満腹中枢を刺激する「レプチン受容体」に作用 → 食欲を抑制(満腹サイン)

① レプチンホルモン
・レプチンが多く分泌:食後20分以降に高まる傾向
・脂肪の蓄積を抑えエネルギー消費を助ける作用

過食
レプチン過剰を繰り返す(肥満・食べ過ぎ) → レプチン受容体機能の低下
→ 食欲コントロール不能状態(肥満の方によく見られる)

② セロトニン(幸福ホルモン)
レプチン同様食欲を抑制するもう一つのホルモン「セロトニン」。
幸福ホルモンとも呼ばれているセロトニンは、主にメンタル面を安定させる役割を担っている。
セロトニンが不足すると扁桃体が高まり不安を覚えるだけでなく満腹中枢の機能低下も招く。

増やす方法:瞑想・運動・咀嚼・日光浴・食べ物など

③ プロゲステロン(黄体ホルモン)
プロゲステロンである黄体ホルモンは、排卵(生理)を境として大量に分泌。
生理前に異常なほど食欲を増したり、むくみがひどくなるのはこのため。

⑵ 空腹中枢に関わるホルモン
グレリンホルモン

五感で食を感じる → 胃が刺激 → グレリン分泌 → 食欲増進

レプチンとグレリンは相関関係のバランスにある。
このバランスが崩れると制御不能になり食欲が止まらなくなる。

ダイエットに必要なホルモン関係
ダイエットを実現したいのであれば、

レプチン(満腹中枢)を増やし
グレリン(空腹中枢)を抑える

生活コントロールが重要。

① 運動する
運動すると「グレリン」が抑えられる。
運動後1時間効果が持続すると考えられている。

② 睡眠をしっかりとる
睡眠不足により、「レプチン」の分泌量が減り、過食傾向になる。

③ お酒を控える
アルコールの取り過ぎは「レプチン」を減少させ、過食傾向になる。

④ 咀嚼する
ゆっくり食事を摂ることで「レプチン」が20分以降に充分分泌される。

⑤ 瞑想する(黙食瞑想:ダイエット効果が研究により実証)
食べ物に対して向き合い、一口一口ゆっくり食べることにより、④の効果が得られ「レプチン」が充分分泌される。また、普段から瞑想を行う週間があると、一つひとつの行動をよく観察したり、集中できるようになる。食時の時も、感謝の気持ちをもって食に向き合うことにも繋がり、「レプチン」の効果を最大限高めることができると期待される。

◯ 考察
携帯やテレビを見ながら食べる、「ながら食」では無意識に外側の情報に意識が向いていてどのくらい何を食べているかよく分かっていない、〝気づいていない〟状態。
食べるスピードも速くなり、満腹のサイン
「レプチン分泌」がくる前に食べ過ぎてしまう。
それとは反対にしっかり「意識」して味わうことに
よって、しっかり噛み締める咀嚼効果からの脳の間脳である視床下部にある満腹中枢「レプチン分泌」に〝気づきやすく〟なり、それ以上食べなくてもいいよという体の信号をキャッチしやすくなる。

◯ 満腹中枢のメカニズム
私たちの体にはエネルギーの ①摂取 ②消費 の単純なバランス収支がある。

痩型 = エネルギー摂取 〈 エネルギー消費
肥満 = エネルギー摂取 〉 エネルギー消費

単純に、この収支だけを見ればエネルギーの蓄積が多ければ多いほど肥満になっていくことは誰でも分かるだろう。
ここで、「運動」を取り入れていくとエネルギー消費が高まり、痩せていくと考えるのが普通である。
しかし、運動を取り入れても、ダイエットの効果がなかなか表れない人の多くは、単純に食事量も多くなっていたという単純な結果が報告されている。

つまり、ダイエットや健康には、やはり「食」への日々の意識や習慣が大切であるということだ。

◯ 食欲
⒈ 生命維持の本能(ホメオスタシス:恒常性維持)

① 摂食中枢
視床下部の外側野に位置している
グルコース → 抑制 
脂肪酸 → 活性
ニューロンが関与し血糖値が低下するとお腹が空いてくる

空腹時
血糖値低下 → 血中脂肪酸濃度増 → 摂食中枢活性 → 食欲上昇
胃:中身が空 = 緩む → グレリン放出(ホルモン) → 摂食行動を強力に促す作用

② 満腹中枢
グルコース → 活性 
脂肪酸 → 抑制
血糖値が上昇するとお腹いっぱいの状態

消化管
小腸に栄養が入る
→ コレシストキニン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、ペプチドYYなどのホルモン分泌
→ 脳幹や視床下部に作用 → 摂食行動を抑える作用で食欲を抑える

食欲調節の王様ホルモン「レプチン」
脂肪から血液中に分泌されるアディポサイトカインは、長期的な体重・体脂肪量の変化に応じて変動する因子。

減量 → 脂肪細胞縮小 → レプチン減少
増量 → 脂肪細胞肥大 → レプチン上昇

レプチン → 視床下部の弓状核に作用 → 食欲を低下
昨今の研究では、レプチンが分泌すると食欲が抑えられるというよりも、レプチンが減少すると、飢餓状態を察知して食欲を向上させるというのがレプチンの解釈の常識になってきている。

レプチン抵抗性
肥満者 = 脂肪細胞肥大 = レプチンが多く分泌 = 血中濃度も高い

本来であれば、肥満者のように食欲を低下させるレプチンが多く分泌していれば食欲が低下するはずである。
しかし、世の中の肥満者の印象はどうであろうか。
早食いでひたすら食べる印象が強い
のではないだろうか

肥満が肥満を呼び起こす原因
① レプチン抵抗性
食欲を抑制するレプチンの働きが弱っている状態が「レプチン抵抗性」といい、肥満をさらに助長させる原因の一つであると考えられる。
原因は、脂質の過剰摂取(動物性食品も含まれる)、蓄積に
より視床下部、レプチンが作用する弓状核に慢性的な炎症が生じ、効き目が弱まることが原因とする説が有力。

ドーパミン受容体の低下
興奮状態になるとドーパミンが放出され快感を与える。
しかし、ドーパミンを放出し続けると
(習慣的に)、量が日頃から多いためドーパミン受容体自体がドーパミンを受ける場所を少なくしようとする。
すると、
ドーパミンを受ける場所が少なくなり、徐々に満足感が得られなくなってしまう。
しかしながら、脳は以前受けた快感を覚えているので、その快感を再び得ようとして食欲を
さらに満たそうとする。
つまり、食べ過ぎ、買いすぎなどの「too much(過度に)」状態である。
これがいわゆる依存症。
買い物依存症、性欲依存症、ドラッグ依存症などのメカニズムだ。

⒉ 欲を満たす本能
私たち人間は、基本的に〝見返り〟を求める動物である。
それは脳の働きを見れば分かるだろう。
人間が、自発的に行動を起こすのは、何か見返りや報酬があるからだと知られている(報酬系)。

大脳皮質の前頭前野 → 判断・認知 → 中脳の腹側被蓋野
→神経細胞が興奮(ドーパミン作動性ニューロン) → 側坐核にドーパミン放出
→ 快感 = 報酬(見返り)

そして、その快感という報酬(見返り)を得た行動をまた繰り返させるために、また同じ行動をさせようとする。
〝美味しいもの〟〝甘いもの〟を「食べたい」という欲求。
心地よいものへの欲求。
これも一種の行動・反復の強化がされつくられた本能のメカニズムによるもの。

食べ過ぎのメカニズム
食欲には血糖値が深く関与している。
例えば、食べ過ぎの代表例が早食い(まとめ食い・〜しながら食い)
である。
食事を摂取してから血糖値が上昇するまで20〜30分は要する。
また、食欲を制御するのは
大脳基底核で、電気信号として神経細胞を通り大脳基底核に伝わる。
神経細胞からドーパミンが放出
され、受容体で受け取る。
大脳基底核が満足と思えば食欲が抑えられるが、長期間食べ過ぎで運動の生活
がないと過剰な快感のドーパミン受容体が麻痺して減少していく。
機能低下を起こし、大脳基底核に伝わる
快感の信号が弱まってしまい、ますます食べ物を欲するようになる(食べ物依存症)。

高度肥満・薬物依存症に似た体内での反応は似たメカニズムだ。

早食い
① 血糖値の上昇・満腹中枢が反応する前に食べ終わる
→ まだお腹や脳はお腹が空いた状態と錯覚 → 食べ続ける
② 満腹感を与える消化管ホルモンの効き目がDOWN
③ 食欲をコントロールするバランスが乱れる

お腹が空いた時に食欲を高める胃から放出するグレリンと、小腸に栄養が入ってきた時に食欲抑制作用を活発化する消化管ホルモンが、早食いのために分泌される順序が乱れてしまい、食欲抑制作用が十分に発揮されなくなり、食べ過ぎに繋がるという可能性も示唆されている。

※ ドーパミン
意欲を司どる生きるために必要な神経伝達物質の一つ。「仮の一時的幸福ホルモン」。

監修:ヨガ栄養士&マクロビオティック愛好家