栄養とは、生物がその生命を保ち、また成長してゆくために、必要な成分を体外の物質、つまり「命」からとり入れること。私たち人類もまた、植物、動物問わず「他の命をいただいて生きている」。◉ 西洋学(栄養学)5大栄養素 ① 炭水化物(食物繊維も含む) ② たんぱく質 ③ 脂質 ④ ビタミン ⑤ ミネラル基本摂取推奨量1日全体必要摂取カロリー:日本人の平均は約1900キロカロリー摂取推奨割合 ① 炭水化物50〜60% ② タンパク質13〜20% ③ 脂質20〜30%◉ カロリー定義カロリー(cal)とは、1gの水の温度を標準大気圧下で1℃上昇させるのに必要な熱量として定義されている。1kcalは、1ℓ(1000cc)の水を1℃上昇させるのに必要な熱量となる。 1日の総エネルギーの消費量の内訳 ⑴ 基礎代謝量(安静時/覚醒時/睡眠時):60% 生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギー消費量 ① 30%:体温調節 心臓の拍動の維持 神経活動など ② 30%:神経細胞内外のイオン濃度の維持など人間の細胞の外側にはナトリウムイオン、内側にはカリウムイオンが多く存在する。これらのイオン交換は筋収縮などの細胞活動の主力の源であり、動かすために多くのエネルギーが必要。基礎代謝量は、男性では15〜17歳でピークの約平均1610kcal/日消費され、女性のピークは12〜14歳の約平均1410kcal/日消費される。30代、40代と歳を重ねるごとに接待や贅沢で食事量が増える一方、代謝や運動量が落ちていくのを鑑みると、働き盛りになるにつれますます運動習慣がなければ肥満や病気に向かうのは至極当然。肥満を5〜15年続ければ病気になるといわれる。よって、「運動」で代謝をキープする習慣、無意識の「食事習慣」の小さな選択の積み重ねが、あなた自身の家族の人生、病気予防、将来の家計の医療費などにも大きく関わってくる時代。 ⑵ 食事誘発性熱産生:10% 食事を摂取した後の安静時:数時間はエネルギー消費量が亢進する消費量 ① 噛む → 交感神経活発 → ※褐色脂肪細胞の熱産生高まる 「よく噛みなさい」と子供時代よく言われたものだ。これは、よく噛むこと(咀嚼)でアミノ酸のヒスチジンからヒスタミンがつくられ、 視床下部のヒスタミンニューロンを刺激する。これによって、交感神経が刺激され、アドレナリン・ノルアドレナリンが放出することによって、褐色脂肪細胞(UCP1:通称ダイエット細胞)が活性化し熱産生が生じる。 ② 消化・吸収により食事誘発性熱産生の各割合 たんぱく質30% 糖質6% 脂質4%五大栄養素の中でたんぱく質を摂取した時が最も熱を生み出す。狩猟採集民族時代から現在まで、大規模な3つの火山噴火の影響(火山仮説)と、火の使用により脳を肥大化してきたと言われている(料理仮説)。これは、肉(熱産生の高いたんぱく質)を火を使い調理することによって、生の肉を食べたときの食事誘発性熱産生で必要とされていたエネルギーを脳の発達などに使うことができたことが関わっているとされている。 ⑶ 活動時代謝量:30% ① 運動性エネルギー消費 ② 活動性エネルギー消費※ 褐色脂肪細胞:哺乳類で見つかった2つのタイプの脂肪または脂肪組織の1つで、もう1つのタイプは白色脂肪組織である。新生児や冬眠動物では特に豊富である。熱を産生するために特殊化した脂肪細胞で、ミトコンドリアがATP合成(通常の熱産生)を行わずに熱を発生する。年齢とともに減少していく。褐色脂肪組織が多く存在している部位を運動や冷却で刺激し効率的な脂肪燃焼を促すことでダイエット効果があるとする説があるが、医学的根拠に乏しく明確ではないとする見解もある。☆ ヨガ栄養士&マクロビオティック講師監修