DIFFERENCE BETWEEN WILD-GRASS AND PASTURE GRASS
◯ 野草[ワイルドグラスフェッド]とは?(山地酪農)
表土を削らず育った二ホンシバを中心に年間50種類以上(100種類以上の可能性も示唆)の野草を牛に食べさせることが実現している。
シバ主体草地の開拓段階で20〜30年かかる酪農法と言われる。
現在の酪農では、草は“粗”飼料と書かれるが、牛は草食獣なので、本来は“素”飼料と呼ぶのが正しい。
無肥料・無農薬・無添加の自然な野草を食べたい時に食べ、第一の胃ルーメンにいる微生物により消化された自然な糞尿を大地に循環させている。
そこには、益虫・害虫・土の中にいる微生物などと牛は共存している。
その乳から出る乳製品が、科学では到底図ることができない境地、目に見えないあるがままの栄養素が詰まった本来の乳製品である。
補いや冬越し用に与える草として、自家収穫した牧草を食べさせるが(1〜2割:季節や気候により変動)、野草を与えている酪農家は日本全国どこを見渡してもほぼ皆無である。
(岩手県田野畑山地酪農は実現中)
◯ 牧草[グラスフェッド]とは?(放牧酪農)
牧草とは、家畜が草の中でとくに好んで食べ、栄養価が高く、収量が多いものを人間が選抜して改良したものを指す。
「効率」が基準にあるので、栄養価を高めるため牧草に農薬や肥料なども使用される。
牧草といっても、輸入牧草(サイレージ:化学肥料不使用はほぼ皆無)、肥料を与えられた牧草、農薬を使用された牧草など〝質〟は様々。
牧草を無農薬で自家貯蔵している酪農家は全国でも指で数えられるほど。
そのため一般的な牧草は、微生物が農薬や過剰肥料により死滅し、水溶性の肥料分(3大化学肥料:チッソ・リン酸・カリ的なこと)しか活用ができない。
放牧・牧草飼育と聞くと一見健康に良さそうであるが、どのように飼育されているか、どのように牧草飼料が育てられているかの内情により大いに異なってくる。
私たち消費者はそれを知る由もない。