HOW TO COOK BROWN RICE KICHARI
キチュリ(khichari:キチャリ)
消化が良く、インドでは※バスマティライスと栄養価の高い「ムングダール(ムング豆)」つまり緑豆を使ったお粥のような料理で、アーユルヴェーダの基本食である。
※イエロームーングダルが消化に良く胃腸ケアや回復食ではおすすめである。
また、※ヒングなども利用することもある。
インドでは、風邪を引いた時、熱が出た時、胃腸の調子が悪い時などには必ずこのキチュリを今でも食べる。
また、辛くなく栄養価が高いのでインドの子供達にとったら、母の味を思い出す食事の一つである。
アーユルヴェーダの普及や自浄効果を促進するヒーリングフードとして注目され始め、デトックスやダイエット料理、そして断食明けの回復食としても重宝される。
インドでは、キチュリという単語は通常広く豆と米の料理を指す単語として用いられている。
キチュリにはスパイスをあまり用いず水分を多く含むもの(geela khichari)からスパイスを多用し水分をほとんど含まないもの(sookha khichari)まで様々な種類がある。
また、他種類の野菜を用いる他にもナッツや果物を入れることもある。
また、ターメリック粉を用いず、個々のスパイスを組みあわせ、事前に煎るもしくは油で炒めた後に調理するものもある。
インドで西暦1340年以前に生まれた、ムーング豆もしくは※レンズ豆(レンティル豆)と米を使用した料理である。
キチュリが未だ一般的に食されているインド・グジャラート州では、この料理は通常香辛料入りのヨーグルト飲料、カーディーとともに供される。
グジャラート州ではキチュリは通常魚を用いて調理することはないが、海沿いの村など魚介類が豊富にとれる地域では魚を用いて調理することもある
※ バスマティライス
バスマティあるいはバースマティーとも呼ばれるものイネの品種の1つ。
インディカ米(長粒種)に属し、繊細で優れた芳香で有名な香り米である。
バースマティーという名称は、「香りの女王」というヒンディー語に由来する。
※ イエロームングダル
インドではひきわりの豆のことをダルという。
ムング豆は日本では緑豆といわれ、もやしの原料などとして使われている。
つまり、イエロームングダルとは、ひきわりの緑豆のことで、豆の中で最も消化に軽い(負担が少ない)と言われている。
ムング豆も水に戻す必要がないので調理が簡単である。
レンズ豆より火にかける時間が必要。
※ ヒング
スパイスの一種。
中東原産の多年草の根茎から出る樹液を固めて乾かし粉状にして使う。
豆類やイモ類などガスがたまる食物と一緒にとると、消化を助け、体内のガスを抜く作用がある。
玉ねぎの腐ったような独特な臭いを放つことから、デビルズダング(悪魔のフン)の異名を持つ。
※ レンズ豆
レンズ豆は、スープやサラダ、カレーなどどんな料理にも合う。
水に戻す必要がないので、洗ってすぐに水から火にかけることができる。
時間は大体15〜20分。
◯ キチュリの栄養学
キチュリの主な材料、三種の神器は次の3つである。「玄米・豆・ギー」。
まず、3大栄養素をバランスよく賄っていることが分かる。
玄米 炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・酵素
豆 タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル・酵素
ギー 脂質10種類以上含有(オメガ3・中鎖脂肪酸など健康オイルの良いとこ取りのオイル)
野菜 ビタミン・ミネラル・酵素
その他コンディメント
刻み青菜、梅干し、有機ゆかり、鉄火味噌、わかめふりかけ、黒ごま塩、青のり、梅醤、たくわんなど
このように、栄養学から見てもキチュリはシンプルの中に全てのものが調和・統合されよく考えられている食べ物である。
また、目には見えない胃腸ケアにもなる。
キチュリの中に小宇宙が存在すると言っても過言ではない。
1340年以前にうまれたインドの先人の智慧の聖なる食である。
◯ 玄米キチュリの炊き方 -準備-
まずは、姿勢を正し、丹田に力を入れ肩の力を抜く。
そして、改めて玄米に心を込めて炊いていこう。
洗い方も大切。優しく丁寧に。
生活の軸ができ、排出が進む。朝食は玄米を食べ過ぎないことも大切(私は基本朝食は食べない)。
よく噛めない人は、漬物発酵食品をとって消化を助けること。
玄米
・自然栽培・自然農法米(無肥料・無農薬)
・品種はササニシキなどさっぱりした品種を常食
・天日乾燥米(はぜかけ米):機械乾燥は避ける
ムング豆orレンズ豆(レンティル豆)
・インド食料品店などで販売されている
・ 量に対して安い(インド食料品店)
・インド食料品店はオーガニックでないところが多い
・反割りのレンズ豆が消化も良く、すぐ煮込めるので扱いやすく、食感も玄米が中心になって食べやすい
・ムング豆だと、存在感が強く食感が玄米と同様になる傾向になる(好みの問題)
塩のおすすめ
精製塩、岩塩などは使用せず、天日塩を使用する。
・奥能登の塩(天日塩:米炊き用)
・カンホアの塩(天日塩:常食用)
土鍋のおすすめ
・マスタークック玄米土鍋炊き用
クッキングガスマットのおすすめ
・ マスタークッククッキングガスマット
その他コンディメント
和と印の融合:刻み青菜、梅干し、有機ゆかり、鉄火味噌、わかめふりかけ、黒ごま塩、青のり、梅醤、たくわんなど
◇玄米とコンディメントだけでもオーガニック推奨
基本水分量(お米1合に対して)
土鍋:1.5倍
ストウブ鍋:1.1〜1.5倍
◇ 米の種類や時間経過にもよる
◇ 合数が多くなればなるほど水分量を減らす
火力
「火」を絶対に使用する(ガスコンロ・釜戸火)
IH調理、電気コンロは使用しない
玄米キチュリの炊き方 -基本-
土鍋炊き
使用土鍋:マスタークック玄米炊き用(内蓋・外蓋・木栓あり)
所要時間:約75分前後
美味しく炊くキーワード:浸水・とろ火・糖化・心を込める
1人用
玄米半カップ + 豆半カップ(合計1合) = 水3カップ前後
☆ 水1合に対して約3倍(基本)
2人用
玄米1合 + 豆1合 = 水6カップ前後
◇ 合が増えるにつれ水の倍数は少なくなる
◇ 水が緩い場合は、水を少なくするなど調整
① 洗米・洗豆:手を使う(氣を入れる)
北半球:左回転は汚れ除去、右回転エネルギー注入
インドでは米を研ぐという文化はあまりなく、米をさらっと洗うだけということが多い
② 浸水:玄米と豆を一緒に浸水
夏3時間以上/冬5時間以上(夜のうちに浸水可)
漬けていた水を使用
③ 調味料を入れる:ターメリック(少々)・クミンシード(少々)を入れて優しく混ぜる
◇ スパイスはなるべくオーガニックを使用
④ 炊く:蓋なしで中弱火(15〜30分)
→ 沸騰手前で火を止め蓋をして10分置く(糖化:消化を良くする)
→ お米と豆がふっくらしたら塩を入れて外蓋をして中弱火。
20分ほど経ってから内蓋、外蓋、木栓をして弱火で17〜24分炊く(ガスマットがあれば使用する:火が全体にいき渡る)。
◇ 木栓は事前に水に浸しておく。
④ 蒸す:10〜15分蒸らす
監修:ヨガ栄養士&マクロビオティック愛好家