肥満の種類一般的に、脂肪全体の約2割が内臓脂肪、8割が皮下脂肪である。(図) ① リンゴ型:上半身肥満(男性・腹部型肥満) → 糖尿病・高血圧・脂質異常症へ ② 洋ナシ型:下半身肥満(女性・臀部型・西洋型肥満)①が病気に罹りやすいが、なぜ ① が病気に罹りやすくなるのだろうか。 脂肪の構造脂肪はトリアシルグリセロール(トリグリセリド・中性脂肪)というグリセロール分子に3つの脂肪酸が結合した状態で、脂肪細胞に保存されている。このトリアシルグリセロールがトリグリセリドリパーゼ(ATGL)やホルモン感受性リパーゼ(HSL)と呼ばれる酵素の働きによって、グリセロールと脂肪酸に分解する(遊離脂肪酸)。分解してはじめて脂肪細胞から血液中に流れエネルギーとして使われる。私たちの体は、ストレス(ここでは運動など)を受けると、副腎からコルチゾールを分泌し、交感神経が高まり血液中にアドレナリンなどが放出され、ATGLやHSLの酵素が活発になり、それによって脂肪分解がスタートする。内臓脂肪は皮下脂肪より脂肪分解が進みやすいため、過剰に内臓脂肪に脂肪が溜まっていると、空腹時には大量に脂肪酸が放出される。内臓脂肪は直接、門脈(近道的なイメージ)を通り、肝臓に入る。そのため肝臓に脂肪が蓄積しやすいので、内臓脂肪肥満は ① 脂肪肝を生じさせてしまう ② アディポサイトカインの分泌異常を引き起こしやすいこのため、生活習慣病の発症と直接結びついてしまう。アディポサイトカインとは、※インスリン抵抗性、高血圧、動脈硬化に関与する因子であり、内臓脂肪から過剰に分泌される。善玉と悪玉の2種類(図)ある。※ インスリン抵抗性血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られない状態をいう。 この状態だと持続的に血糖値の上昇が起こり糖尿病を発症する。 血糖を下げるのに必要なインスリン量が多い場合、インスリン抵抗性が高いという。◯ 脱・肥満体 肥満の主な症状 ① 血圧が高い ② HDL悪玉コレステロール上昇 ③ インスリン機能低下(インスリン抵抗性) ④ 過食になりやすい(ホルモン・満腹中枢の異常) インスリンの働きが悪くなり、血糖値のコントロールが低下。視床下部の腹内側核には満腹サインである満腹中枢や、食べたいというサインを受け取る外側野の摂食中枢の過剰な刺激などでそれらのバランスが崩れ過食となる。肥満を表す代表がメタボリックシンドローム。 「肥満 + 脂質異常 = インスリン抵抗性がある状態」をいう。監修:ヨガ栄養士&マクロビオティック愛好家